章 40

リタはアレックスの傍を離れない。

本当は、それを喜ぶべきなのかもしれない。明らかに調子が悪そうな彼を支えてくれる人がいるのだから。彼が今どんな状況に陥っているにせよ、傍にいて助けてくれる人が必要なのだろう。

それでも、彼女を傍らに彼が教室を渡り歩くのを見るのは、やはり辛い。

生徒たちは皆、彼の姿に目を瞠り、教師たちは教室で彼と話したり、時には廊下へ出て行ったりしている。私は角や戸口に身を潜め、彼がようやく一人になる瞬間を、もう一度話しかける機会を窺っていた。

しかし、ホッケーリンクに着く頃には、彼は一度も一人になっていなかった。

教員エリアで私を見て以来、彼は冷たい無関心か、かすかな苛立ち以外...

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